「ハワイに、日本の日焼け止めは持って行ける?」「禁止の成分は、日本語だと何と書いてある?」「子どもには、どれを選べばいい?」——ハワイの日焼け止め規制は、2021年から始まっています。ただ、禁止の成分の名前が、日本の成分表示と違うので、気づきにくいのが困りどころです。
この記事では、ハワイ州の法律(HRS §342D-21)、ハワイ州保健局、マウイ郡・ハワイ郡の条例、日本の化粧品業界団体(JCIA)の成分名、FDA(米国食品医薬品局)とNOAA(米国海洋大気庁)、国土交通省の空港ルールで、禁止の成分、島ごとの違い、日本語の成分名、子どもの選び方、飛行機に載せるときのルールを整理します。
- ハワイ州法で、2021年1月から「販売」が禁止されたのは、オキシベンゾンとオクチノキサートの2つ。日本の成分表示では、「オキシベンゾン(-3)」と、「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(メトキシケイヒ酸オクチル)」
- 禁止されているのは、販売と流通です。旅行者が日本から持ち込んで使うことは、条文が禁止している行為に入っていません。ただし、サンゴ礁を守るための法律なので、2つを含まないものを選ぶのが望ましい
- マウイ郡は、2022年10月1日から、非ミネラル系の販売・配布・使用を禁止。ハワイ島は、2022年12月1日から、販売・配布を禁止(使用は制限なし)。オアフ島とカウアイ島は、確認できた範囲では、州法のみ
- 子どもの日焼け止めは、ハワイ州観光局がSPF30以上、FDAが広域(ブロードスペクトラム)でSPF15以上と案内。耐水性があるものを、2時間ごとに塗り直す。生後6か月未満の赤ちゃんには、日焼け止めを勧めず、日陰と衣服で守る(FDA)
- 飛行機:預け荷物は、スプレーも含めて、1容器0.5L(0.5kg)以下。国際線の機内持ち込みは、100ml以下の容器を、1L以下の透明袋に。ハワイからの帰りも、TSAの3.4オンス(100ml)ルール
本記事の情報は2026年10月時点のものです。法律や条例、商品の成分は変わることがあるので、購入の前に、商品の成分表示と、ハワイ州保健局などの公式情報で確認してください。医療のアドバイスではありません。
この記事の内容
- ① ハワイの日焼け止め規制:禁止されている2つの成分と、日本語の成分名
- ② 州法の中身と、禁止された理由
- ③ 島ごとの違い:マウイ島・ハワイ島は要注意
- ④ 持って行く?現地で買う?飛行機のルール
- ⑤ 子どもの日焼け止めの選び方(ラベルの読み方)
- よくある質問
- まとめ
① ハワイの日焼け止め規制:禁止されている2つの成分と、日本語の成分名
ハワイ州法(HRS §342D-21)で、2021年1月1日から、オキシベンゾンまたはオクチノキサートを含む日焼け止めを、処方箋なしで、州内で販売、販売目的で提供、配布することが、違法になりました(条文の見出し・英語)。ハワイ州保健局も、この2つを「ハワイで販売・流通が禁止されている成分」と案内しています(ハワイ州保健局・英語)。
| 禁止の成分 | 英語名 | 日本の成分表示の例 |
|---|---|---|
| オキシベンゾン | Oxybenzone(成分表示では Benzophenone-3 とも) | オキシベンゾン、オキシベンゾン-3(JCIAの医薬部外品の成分表示名称リスト) |
| オクチノキサート | Octinoxate(成分表示では Ethylhexyl Methoxycinnamate とも) | メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、メトキシケイヒ酸オクチル(JCIA)。医薬部外品では、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(別名:パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル) |
日本の日焼け止めは、成分表示の名前が、英語名や米国の呼び名と違います。ボトルの裏を見て、「オキシベンゾン」「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」「メトキシケイ皮酸…」「パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル」のどれかが入っていないかを確認します。日本の化粧品業界団体(JCIA)は、紫外線吸収剤の例として、メトキシケイヒ酸オクチル(あるいはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル)を挙げています。日焼け止めには、使われていることがある成分です。
紫外線を防ぐ成分は、紫外線吸収剤(吸収剤そのものが紫外線を吸収する)と、紫外線散乱剤(主に粉体で、肌の表面で紫外線を乱反射させる。酸化亜鉛、酸化チタンなど)に分かれます(JCIA)。「ノンケミカル」「紫外線吸収剤不使用」と書かれている商品は、散乱剤だけを使っているものが多いので、ハワイの規制にも対応しやすくなります。

② 州法の中身と、禁止された理由
州法で決まっていること
- 禁止されていること:オキシベンゾンまたはオクチノキサートを含む日焼け止めの、販売、販売の申し出、販売目的の配布。処方箋がある場合は例外です(HRS §342D-21)
- 旅行者の持ち込み・使用:条文は、販売と流通を規制する内容です。旅行者が日本から持ち込んで、使うことは、禁止されている行為に入っていません。罰則の対象も、販売する側です(条文のとおり)
- 州法の対象の成分:2025年版のHRS §342D-21の見出しは、「オキシベンゾンまたはオクチノキサート、あるいは両方を含む日焼け止めの販売と流通の禁止」です。アボベンゾンやオクトクリレンなどを加える動きは、ネットでは「禁止になった」と書かれていることもありますが、州法に追加されたと確認できませんでした。最新は、ハワイ州保健局で確認してください
- 現地で買うとき:ハワイで売られている日焼け止めは、法律上、この2つを含まないものです。ただし、念のため、成分表示を見ます
なぜ禁止されたのか
州議会は、オキシベンゾンとオクチノキサートが、ハワイの海のサンゴ礁に大きな悪影響を与えるとして、この法律をつくりました(Act 104・2018年)。米国のNOAAは、海の生き物に影響を与える成分として、オキシベンゾン、オクチノキサートのほかに、オクトクリレンなども挙げています。2022年の米国科学アカデミーの研究では、化学系の紫外線フィルターが、サンゴを含む水生生物に害を及ぼす可能性があるとされました。また、NOAAは、ミネラル系のほうが、水生生物への影響は少ないと考えられるとしています。ただし、同じNOAAのページは、ナノ粒子の酸化チタン・酸化亜鉛も、懸念される成分として挙げています(NOAA・英語)。
③ 島ごとの違い:マウイ島・ハワイ島は要注意
州法のほかに、島ごとの条例があります。マウイ郡の条例は、紫外線吸収剤を使った日焼け止めも含めて、ミネラル系以外の日焼け止めを、使うことも禁止しています。マウイ島、モロカイ島、ラナイ島へ行く予定があるなら、日本から、ミネラル系を持って行くのが安心です(Maui News・英語・Civil Beat・英語)。
| 島・地域 | 規制 | 補足 |
|---|---|---|
| オアフ島・カウアイ島 | 州法のみ。オキシベンゾンとオクチノキサートを含むものの販売が禁止 | 確認できた範囲では、郡の独自の条例はありません |
| マウイ郡(マウイ島・モロカイ島・ラナイ島) | 2022年10月1日から、非ミネラル系の日焼け止めの、販売・配布・使用が禁止(処方箋がある場合を除く) | ミネラル系は、酸化亜鉛と酸化チタンだけを有効成分とするもの。郡の環境部が所管し、当面は、罰則よりも啓発が中心(Maui News) |
| ハワイ郡(ハワイ島) | 2022年12月1日から、非ミネラル系の日焼け止めの、販売・配布が禁止 | 使用は制限されていません(Big Island Now) |
ハワイ郡(ハワイ島)の条例は、2022年6月に、郡議会が最終可決しました(Big Island Now・英語・コナ・コハラ商工会議所・英語)。いずれも、条例の細かい運用は変わることがあるので、旅行の前に、郡の公式サイトで確認してください。

④ 持って行く?現地で買う?飛行機のルール
日本から持って行くか、現地で買うか
- 持ち込み:州法は、旅行者の持ち込みと使用を禁止していません。サンゴ礁を守るため、オキシベンゾンとオクチノキサートを含まないものを選ぶのが望ましいです。ハワイ州観光局も、サンゴを守るため、リーフセーフ(サンゴに配慮した)日焼け止めを使うよう案内しています(GoHawaii・英語)
- マウイ島へ行くなら:ミネラル系(酸化亜鉛・酸化チタンだけが有効成分)を用意します
- 現地で買う:ドラッグストアやスーパーで買えます。ミネラル系かどうかは、ボトルの成分表示で確認します
- 「リーフセーフ」の表示だけで判断しない:この言葉の定義を、ここで確認できた公的な情報はありません。成分表示を見て、判断します
飛行機に載せるときのルール(日本発・ハワイ発)
- 預け荷物(日本発):国土交通省のリストでは、日焼け止めを含む化粧品類は、スプレーも、預け荷物に入れられます。1容器0.5L(0.5kg)以下、1人あたり合計2L(2kg)以下(化粧品類・医薬品類・スプレー缶の合計)です。スプレーは、キャップなどで噴射弁を保護します(国土交通省・2026年4月更新)
- 機内持ち込み(日本発の国際線):液体物は、100ml(g)以下の容器に入れ、それらを容量1L以下のジッパー付き透明袋にまとめます(成田空港・日本語)。ジェルやエアゾールも対象です
- ハワイから帰る便:米国のTSAは、機内持ち込みの液体・ジェル・エアゾールを、3.4オンス(100ml)以下の容器で、1クォートの透明袋1つまでとしています(TSA・英語)。ハワイで買った大きなボトルは、預け荷物に入れます
- スプレー式の注意:FDAは、スプレー式の日焼け止めは燃えやすく、火の近くで使ってはいけないと案内しています(FDA・英語)
⑤ 子どもの日焼け止めの選び方(ラベルの読み方)
日本の日焼け止めの表示(SPF・PA・UV耐水性)は、JCIAの説明(JCIA)、米国の表示は、FDAの説明(FDA・英語)に基づきます。
| 項目 | 日本の表示 | 米国(ハワイ)の表示 |
|---|---|---|
| 紫外線B波の防止 | SPF(数値が大きいほど、日やけの防止効果が高い。SPF50を有意に超えると「SPF50+」) | SPF。FDAは「広域(ブロードスペクトラム)で、SPF15以上」。ハワイ州観光局は、「SPF30以上」 |
| 紫外線A波の防止 | PA(+〜++++) | 「Broad Spectrum(広域)」の表示がUVAもUVBも防ぐ目印 |
| 水に強いか | UV耐水性★/★★ | Water Resistant(耐水)。40分か80分か、ラベルに書かれる |
- 塗り直し:FDAは、「少なくとも2時間ごと。泳いだり、汗をかいたりしたら、もっとこまめに」と案内しています。ハワイ州観光局も、泳いだあとの塗り直しを案内しています
- 生後6か月未満の赤ちゃん:FDAは、「生後6か月未満の赤ちゃんには、日焼け止めを勧めない」としています。午前10時から午後2時の、日差しが強い時間を避け、日陰と、衣服で守ります
- 日陰と衣服:NOAAも、午前10時から午後2時は日陰に入り、UV対策の衣類(UPF表示の水着やラッシュガード)を使うよう勧めています。ハワイ州観光局は、つばのある帽子、サングラス、長袖と長ズボンも挙げています
- 初めて使うものは、旅行の前に試す:旅行先で肌に合わないと困るので、出発の前に、少し塗ってみます(工夫のひとつ)
ハワイでの熱中症・日差し対策は、子供連れでハワイ熱中症対策と、ハワイの治安【エリア別】子連れが気をつけることの「海」の項にもあります。
よくある質問
Q. ハワイに、日本の日焼け止めを持ち込んでもいいですか?
A. 州法が禁止しているのは、オキシベンゾンまたはオクチノキサートを含む日焼け止めの、販売と流通です。旅行者が持ち込んで使うことは、条文が禁止している行為に入っていません。ただし、サンゴ礁を守るための法律なので、この2つを含まないものを選ぶのが望ましいです。
Q. 禁止の成分は、日本語で何と書かれていますか?
A. オキシベンゾンは、「オキシベンゾン」または「オキシベンゾン-3」です。オクチノキサートは、「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」「メトキシケイヒ酸オクチル」、医薬部外品では「パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル」などと書かれています。
Q. 日本の日焼け止めは、使えませんか?
A. 商品によります。成分表示に、上の名前が入っていないかを確認します。入っていなければ、ハワイの州法の対象の成分は含まれていません。マウイ島に行くなら、ミネラル系(酸化亜鉛・酸化チタンだけ)を選びます。
Q. マウイ島とハワイ島は、ルールが違いますか?
A. はい。マウイ郡は、2022年10月1日から、非ミネラル系の日焼け止めの販売・配布・使用を禁止しています。ハワイ郡は、2022年12月1日から、販売・配布を禁止していますが、使用は制限していません。
Q. 「リーフセーフ」と書いてあれば、安心ですか?
A. この言葉の定義を、公的な情報では確認できませんでした。商品の成分表示を見て、オキシベンゾンとオクチノキサートが入っていないかを確認します。NOAAは、ミネラル系のほうが影響は少ないと考えられるとしていますが、ナノ粒子の成分にも懸念を示しています。
Q. 赤ちゃんにも、日焼け止めを塗りますか?
A. FDAは、生後6か月未満の赤ちゃんには、日焼け止めを勧めないとしています。日陰と衣服で守り、日差しの強い午前10時から午後2時を避けます。それ以降の子どもは、広域のSPF15以上(ハワイ州観光局はSPF30以上)を、2時間ごとに塗り直すと案内されています。
Q. スプレー式の日焼け止めは、飛行機に載せられますか?
A. 国土交通省のリストでは、預け荷物に入れられます。1容器0.5L(0.5kg)以下、1人あたり合計2L(2kg)以下で、噴射弁をキャップなどで保護します。日本発の国際線の機内持ち込みは、100ml以下の容器を、1L以下の透明袋に入れます。航空会社の規則が、さらに厳しい場合があるので、ANAなどに確認してください。
Q. 違反すると、罰則がありますか?
A. 州法の対象は、日焼け止めを販売する側です。旅行者が使うことに対する罰則は、条文の内容からは確認できませんでした。
まとめ
- □ ボトルの裏の成分表示で、オキシベンゾン(-3)と、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチル)が入っていないか確認する
- □ マウイ島へ行くなら、ミネラル系(酸化亜鉛・酸化チタンだけ)の日焼け止めを用意する
- □ 子ども用は、広域・耐水で、SPF30以上(ハワイ州観光局)。2時間ごとと、泳いだあとに塗り直す
- □ 生後6か月未満の赤ちゃんは、日陰と衣服で守る
- □ 預け荷物は、1容器0.5L以下・合計2L以下。機内持ち込みは、100ml以下の容器を、1L以下の透明袋に
- □ 帰りの便も、機内持ち込みは100ml以下。ハワイで買った大きなボトルは、預け荷物へ
あわせて読みたい
- 子供連れでハワイ熱中症対策
- ハワイの治安【エリア別】子連れが気をつけること
- 子どもが熱を出したら
- 子連れハワイ持ち物リスト
- ハワイ 月別の気候と子どもの服装・持ち物






コメントを残す